瀬尾まいこ「幸福な食卓」
2023-07-25
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めちゃくちゃネタバレする。
文体の印象はなんとなく角田光代と近くてさらっとしてて読みやすい感じだなと思った。主人公がそこそこ周りの空気を読んで行動するタイプなんだけど内面はだいぶ捻くれてて冷めた感じなのがおもしろかった。 「普通の家族像」概念を突き詰めすぎた結果すごく変わった方向に進んでしまった一家が、それぞれ家族概念から離れて個人になってみて、そこからまた概念ではなくただ一緒に暮らす血縁の人間として家族へと戻っていく様が書かれていた。
全体的にあんまり共感とかはしなかったんだけど、主人公と恋人の描写がすごくかわいくて良かった。恋人がちょっと馬鹿だけど元気な文系男子で、家族との会話ではどうにも埋められない主人公の鬱々とした気持ちが彼の行動によって癒やされていく様子がたくさん描かれているんですよね…なので最後に彼が事故死してしまって主人公がずっと悲しみから抜け出せない様子が辛すぎた。 楽しいパートもあったけど、読みやすい文体の奥に正体のはっきりしない鬱っぽさが眠ってて読むタイミングによっては元気なくなるかもしれない。でも読んでよかったなと思う。